星を掬う

星を掬う

町田そのこ

出版社

中央公論新社

出版年

2021

ISBN

9784120054730

親なんて、
思い出したくもなかったのに
自分を捨てた母親とすれ違う娘を描いた、
切なくも温かい物語

歪な親子関係を描いた小説です。
夫にDVを受け家を出た主人公が、過去に自分を捨てた母親に再会するところから話が始まります。

労働問題、介護問題、育児問題など、現代の様々な社会問題が描かれています。
全てあくまで主人公の人生経験として語られますが、読んでいるとつい「こんな環境にいる人が何人もいるんだろうな」と思ってしまいます。

「大団円やハッピーエンドで解決する」という作品ではありません。
過去に起こってしまった事実は変わらないし、そんな簡単に関係が良好になるわけもない。
辛く苦しく、でも生きていたいと思う人生に、主人公が少しずつ向き合っていく小説です。

あたたかい気持ちになれる作品なので、ぜひ一度読んでみてください。

感動ものが読みたくなって買った本でしたが、思った以上に辛い話で、いい意味で拍子抜けしました。
終盤は苦しくなりながらも、ページをめくる手が止まらなくて、バスの中で一気に読み切りました。
ぼろぼろ泣いてバスを降りた記憶があります。親子もの中では一番好きな作品です。

(Ishii)

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